健康の話

80歳、90歳になっても、自分の足で元気に歩くために!

 

ご相談者
渋野さん(70歳・女性)
笑顔がトレードマークの人気者。昔は駄菓子好きだったが、今は血糖値を気にして孫と食べるスルメが相棒。最近は膝の動きが悪くなり、家庭菜園が少しきつくなってきている。

 
 

立ち上がる時の「ギシッ」、年のせいと諦めていませんか?

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渋野さん

先生、こんにちは。
最近どうも膝の調子が悪くて…。
家庭菜園でしゃがんだ後なんかに、立ち上がろうとすると「ギシッ」と音がするような感じで、痛むんです。

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佐藤院長

こんにちは、渋野さん。
立ち上がりや、歩き始めに痛むのですね。
それは変形性膝関節症によく見られる典型的な症状かもしれません。

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渋野さん

へんけいせい…?

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佐藤院長

はい。
膝の骨と骨の間には、衝撃を吸収する「軟骨」というクッションがあります。
それが長年の負担などで少しずつすり減って、炎症が起きている状態のことです。

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渋野さん

クッションが…。
ああ、そういえば長年、畳の部屋で正座をしたり、畑で無理な格好をしたりしてきましたからねぇ。
負担がかかっていたのかしら。

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佐藤院長

きっと、それだけ頑張ってこられた証拠ですよ。
実は女性ホルモンの影響もあって、女性は男性よりなりやすいとも言われています。
ちなみに、もう一つだけ。
最近、体重の変化などはありましたか?

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渋野さん

うっ…先生、耳が痛いです(笑)。
お恥ずかしいけど、ちょっと増えちゃって。
それも関係ありますか?

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佐藤院長

ありますね。
歩くだけでも、膝には体重の2〜3倍の負担がかかると言われています。
体重が少し増えるだけで、すり減ったクッションへの負担はさらに大きくなってしまうんです。

手術は怖い。でも、このままも不安…

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渋野さん

そうだったんですね…。
実は私の姉も膝が悪くて、数年前に手術をしたんです。

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佐藤院長

そうでしたか。

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渋野さん

ええ。
手術する前は本当に辛そうで、杖をついても痛い痛いって、見ていて可哀想なくらいでした。
でも、思い切って人工関節の手術を受けたら、嘘みたいにスタスタ歩けるようになって。
「もっと早くやればよかった」なんて言ってるんです。

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佐藤院長

それは良かったですね。

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渋野さん

でも、それを見てると、私もこのまま放っておいたら姉みたいに手術になるのかしら…って。
やっぱり手術は怖いですし、でもあの痛みは嫌だし…なんて、考えてしまって。

諦めるのは早い。今できることがあります

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佐藤院長

お気持ち、よく分かります。
ですが、渋野さんが今すぐお姉さんと同じ道をたどると決まったわけでは、ありませんよ。

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渋野さん

えっ、そうなんですか?
もう姉みたいに手術するしかないのかと、半分覚悟していました…。

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佐藤院長

ええ。
大切なのは、渋野さんが今、ご自身の膝の痛みに気づき、こうして相談に来てくださったことです。
早い段階であれば、色々とできる事があるのですよ。

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渋野さん

できる事、ですか…。
具体的には、どんな方法があるんでしょうか?

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佐藤院長

はい。
例えば、運動で膝を支える筋肉を鍛えたり、痛みを和らげるお薬や湿布を使ったり。
膝の潤滑油の代わりになるヒアルロン酸のお注射といった方法も考えられます。
必ずしもすぐに手術、ということではないんです。

専門医への相談が、回復への最短ルートです

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渋野さん

「年のせい」の一言で片付けてしまうところでした。
痛みの原因を知って、今からやれることがあると分かり、安心しました。
まずはちゃんと診てもらうことが大事だとよく分かりました。

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佐藤院長

その通りです。
当院では、まず診察とレントゲンや超音波検査を用いて膝の状態を詳しく拝見します。
レントゲンで骨と骨の隙間がどのくらい狭くなっているか、骨の変形がないかなどを確認します。
また、ひざの痛みを認める疾患は変形性膝関節症以外にも多くあり、時にはCT、MRI検査が必要な場合もあります。

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佐藤院長

これらの検査によって痛みの本当の原因を突き止めることで、渋野さんの今の症状にぴったりの治療方針を立てることができるのです。
また、お薬での治療だけでなく、専門の理学療法士の指導の下で、今の状態に合わせた適切なケアを行っていく事も大事なのです。

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渋野さん

ありがとうございました。
不安が晴れました。

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佐藤院長

「年のせいだから」と諦めたり、自己判断で放置したりしないでください。
つらい痛みから解放されるための最も確実な第一歩は、正しい診断を受けることです。
それが、回復への一番の近道ですよ。

【まとめのアドバイス】
立ち上がる時や歩き始めに膝が痛む、階段の上り下りがつらい正座ができない…。
そんな膝の症状にお悩みではありませんか?
「どうせ年のせいだろう」「そのうち治るだろう」と自己判断してしまうのは危険です。その痛みの裏には、早めの対策で進行を遅らせることができる「変形性膝関節症」が隠れているかもしれません。
つらい症状を長引かせず、一日も早く快適な生活を取り戻すために、まずはご相談ください。
正しい診断と、あなたの状態に合わせた適切な治療こそが、回復への最短ルートです。

疾患解説

#変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう) 
症状:立ち上がりや歩き始めに膝が痛むのが特徴です。進行すると、階段の上り下りや正座が困難になり、安静にしていても痛むようになります。また、関節に水(関節液)がたまることもあります。
原因:加齢による関節軟骨の老化、肥満、過去の怪我などが原因です。
また、体重のかかり方のバランスが悪かったり、筋力低下により衝撃吸収が低下したりすることで、関節の一部分に荷重が集中します。その結果、軟骨がすり減ることで骨同士がぶつかり、炎症や変形が起こります。女性に多く見られます。
生活習慣の原因
1.スポーツ:ストップアンドゴーやジャンプの多いスポーツ、コンタクトスポーツ。
2.運動不足大腿四頭筋筋力低下、関節液、関節液の循環が不十分
3.和式生活で正座が多い
4.農業や建設業、保育士さんなど正座、しゃがみこみ動作が多い
5.肥満 膝には体重の2~3倍の負荷がかかる、体重5kg増えると変形性膝関節症のリスク2倍に増えます。BMI 25以下を目指しましょう。
治療:大きく分けて「保存療法」「手術療法」があります。
• 保存療法(手術以外の方法)
  運動器リハビリテーション: 最も重要です。理学療法士の指導のもと、膝の負担を減らすために「大腿四頭筋(太ももの前の筋肉)」や「ハムストリング(太ももの裏)」、「股関節周りの筋肉」を鍛えます。また、関節の動く範囲を広げる訓練(可動域訓練)も行います。
  薬物療法: 痛みを抑えるために、湿布薬や消炎鎮痛薬(NSAIDs)、痛みが強い場合は弱オピオイドなどを使用します。
  関節内注射: 軟骨の保護や潤滑油の役割を果たす「ヒアルロン酸」を膝関節に注射します。
  装具療法: 足底板(インソール)や膝装具を使って、膝にかかる負担を軽減させます。温熱療法で血行を良くすることもあります。
 
• 手術療法 保存療法で改善が見られない場合に行います。
  骨切り術(こつきりじゅつ): 自分の骨を切って角度を変え、荷重のバランスを整える手術です。自分の関節を温存できます。
  人工関節置換術(じんこうかんせつちかんじゅつ): 傷んだ関節の表面を取り除き、金属やポリエチレンでできた人工の関節に置き換えます。痛みがなくなる確率は7~8割程度と言われており、歩行能力の改善が期待できます。

関連リンク

整形外科
リハビリテーション

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