ピロリ菌検査のご案内

ピロリ菌とは、胃の粘膜表面に生息している菌です。45歳以上で約6割ほどの感染率で、年代が上がるとさらに感染率は上がります。ピロリ菌がいる状態では、胃潰瘍・十二指腸潰瘍、萎縮性胃炎、胃がんのリスクが高まります。前にあげた主に胃腸に関する病気がある場合のピロリ菌の除去は保険対象となりますが、病気がない状態でのピロリ菌除去は自由診療(保険対象外)となります。慢性的に胃の調子が悪いなどの場合は、保菌している可能性もありますので下記内容をぜひお読みください。

ピロリ菌保険治療と保険適用の話

健康診断を受け血清ピロリ菌抗体価やABC検診で、ピロリ菌感染の疑いがあるという結果だけでは、保険適用で除菌治療を受けることはできません。保険診療で、ピロリ菌の検査や除菌治療を行うには下記条件があります。

保険診療の条件
・ピロリ菌検査や除菌治療を行う半年以内前に胃カメラ検査を受けている
・胃カメラ検査でピロリ菌感染による慢性胃炎(萎縮性胃炎)が確認されている。

胃カメラ検査をせず、ピロリ菌検査や除菌療法を行うことは自費診療となります。
保険診療で受けたい場合は、胃カメラ検査を先に受けることが必須です。

◆保険診療でピロリ菌検査や除菌治療の手順

1.胃カメラ(内視鏡)検査を受ける
2.慢性胃炎(萎縮性胃炎)と診断される
3.ピロリ菌検査を行う
4.ピロリ菌検査で陽性と判定される
5.ピロリ菌除菌治療を行う

なぜピロリ菌検査や除菌治療前に胃カメラ検査が必要なのか?

先にピロリ菌の除菌療法を行ってしまうと、胃粘膜の炎症が収まり、正常な粘膜となり、早期胃癌の発見が難しくなるからです。早期胃癌が見逃されてしまい、胃カメラ検査を何年も受けているにもかかわらず早期胃癌が見逃されてしまうということもあり得ます。

ピロリ菌って何?ほおっておくとどうなる?

ピロリ菌とは胃の粘膜に住みつく、らせんの形をした細菌です。

鞭毛(べんもう)と呼ばれる毛が4から8本付いていて胃の中で活発に運動することができ、上皮細胞にくっつき、また粘液層に出てその中を泳ぎ回っています。

▶ピロリ菌の特徴

胃には強い酸があるため、通常の菌は生育できませんが、ピロリ菌は周辺をアルカリ性にして酸を中和することで胃の表面まで移動することができます。

▶ピロリ菌を放置すると…

ピロリ菌に痛めつけられた胃粘膜上皮は萎縮してしまい、癌化の関連が指摘されています。(胃がんリスクが高まると考えられている)

▶いつどのように感染するの?

感染経路はもともと環境因子が重要視されたが、生活環境の改善によりその因子が減少し、最近では家庭内感染がメインルートと考えられています。

幼少期における家庭内感染が重要、母親からの感染が多いと言われています。

▶ピロリ菌からくる病気は?

ピロリ菌に感染すると、胃粘膜はほぼすべて組織学的胃炎(胃粘膜が赤く炎症し、腫れ、老化する)となります。

組織学的胃炎が持続し、それに時間要因やその他の要因が加わり、様々な病気が引き起こされます。

消化器疾患では、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃 MALT リンパ腫、萎縮性胃炎、胃がん、胃 過形成ポリープ、機能性ディスペプシアなどと関連します。
消化器外疾患では、特発性血 小板減少性紫斑病、鉄欠乏性貧血、慢性蕁麻疹などと関係します。

▶除菌療法について

ピロリ菌の除菌療法は1種類の「胃酸の分泌を抑える薬」と、2種類の「抗菌薬」の合計3剤を同時に1日2回、7日間服用する治療法です。

7日間服用後、4週間以上経過してからピロリ菌の除菌が成功したかどうかもう一度検査する必要があります。

▶除菌療法について

ピロリ菌の除菌療法は1種類の「胃酸の分泌を抑える薬」と、2種類の「抗菌薬」の合計3剤を同時に1日2回、7日間服用する治療法です。

7日間服用後、4週間以上経過してからピロリ菌の除菌が成功したかどうかもう一度検査する必要があります。

  
  

除菌療法の注意点

・確実にピロリ菌を除菌するため、指示された方法で7日間服用してください。
服用を中断した場合、除菌に失敗して、治療薬に耐性を持ったピロリ菌が出現することがあります。
除菌療法の副作用として、下痢・軟便、味覚障害・舌炎・口内炎、発疹や痒みなどが報告されています。副作用が現れた場合、主治医に相談してください。

除菌療法の成功率はどれくらいですか?

・正しく服用した場合、1回目の除菌療法の成功率は約80~90%と言われています。
1次除菌療法でピロリ菌除菌が不成功だった場合は、別の薬に変えて再び2次除菌療法を行います。
2次除菌療法をきちんと行えばほとんどの場合、除菌が成功すると言われています。

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