子どもの話

公園が大好きな2歳の息子。砂場で山を作って、トンネルをあけるのが日課でした。

私は28才で結婚し、息子(たーくん)と夫の3人暮らしです。
いま、たーくんは元気に中学校に通っていますが、3歳のころの話です。

たーくんは外遊びが大好きでした。当時は、マンション暮らしをしていたのですが、
ちょうど道を挟んだ向かい側が公園になっていて、日中は毎日のように公園へ行くのが日課でした。

好奇心旺盛で、セミの抜け殻を集めたり、ダンゴムシを見つけたり、なんでもやってみるのが好きな男の子。
公園にいた子ともすぐ友達になり、一緒に砂場で山を作って、壊れないようにトンネルあけを競ったりしていました。

ある天気のいい秋晴の朝、いつものように公園で、たー君が友達と走り回っていました。
キャッキャッ騒ぎながら、テンションが上がっていて、とても楽しそう。
母親として、子どもの成長が感じとれるひと時でした。

そして、遊びが一息ついたとき「コンコン」と小さく咳をしているのに気づきます。
汗かいて、そのままだったから風邪でも引いたかなー程度に思っていました。

市販の風邪薬を飲んでしばらくすれば、治るだろうと。

その後、1週間経っても咳は収まりません。
咳が出る以外はとっても元気だったのであまり気にしていませんでした。
家に帰ると咳は止まるし、外で遊ぶ時だけ咳が出るので
まあ、熱が出たら病院へ行こうかなぐらいに思っていました。

しかし、1か月たっても咳は続いていました。
相変わらず、外で走り回ったときに咳が出ていたので
さすがにちょっと見てもらったほうがいいかなと思い小児科へ。

診断は「小児喘息(ぜんそく)」でした。
入院とはいかなくても、吸入器を借りて、毎日自宅で吸入をしないといけないほどでした。
喘息という病気の名前は知っていましたが、自分や夫は喘息でもないし、喘息なんて全く予想もしていませんでした。

看護婦さんは、吸入器の説明を丁寧にしてくれ、それからは朝晩に吸入器で治療しました。
吸入器をつけているたーくんの姿を見ると「もう少し早く気が付いていれば、、、」と申し訳ない気持ちを覚えたのですが、経過を見てくれる小児科の先生や、看護婦さんとの会話の中で不安は和らいでいきました。

その後、毎年春と、秋になると喘息がでて小児科のお世話になりました。
たー君が喘息なのかは私ではなかなか判断がつかず、少しでも怪しいときは、すぐに小児科へ行きケアを受けます。
先生や看護婦さんとはなじみになり、色々と話す中ことで安心できる場所でした。

年がたち成長するにつれて、年2.3回だったぜんそくの症状が、年に1回、2年に1回と減っていきます。そして、たー君自身も喘息なのかどうなのか?ということが把握できるようになり、早め早めのケアができるようになっていきました。

今、たーくんは中学2年生。時々風邪からくる喘息が出る事がありますが、回数は昔ほどでなく大幅に減りました。そして、野球に打ち込むようになりました。

外野のポジションで、練習も普通にできるようになりました。この間の試合には応援に行き、ヒットを2回打ち大活躍。本当に楽しそうに野球をしています。試合後の打ち上げではモリモリ食べている姿を見て、運動が心配だったあの頃を懐かしく思っています。

喘息は完全に消えないにしても、うまく付き合っていきながら日々を過ごしてもらえたら思っています。

お母さんより、たーくんへ。